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〜§ 割れ窓理論 §〜
Broken Windows Theory
文責:糜爛鳥(管理人)


 「割れ窓理論」:Broken Windows Theoryとは一見ガラス工場でどのようにして割れないガラスを作るかという理論にも聞こえるが、そうではなく、建物の窓ガラスが割れたまま放置されていると管理人がいないと思われ、そこから凶悪な犯罪が増えるという理論である。この理論は米国のJ.Q.Wilson とG.L.Kellingという社会学者が1982年に考案し発表したものである。
 「割れ窓」とはまさしくその言葉どおり「割れて“放置”された窓ガラス」のことである。そしてその意味するところとは、“誰もそれに気づかない”もしくは“誰もそのことに関心がない”ということであり、縄張り意識や当事者意識がないことを示す。つまり、犯罪者が気軽に犯行に及ぶことのできる地域の象徴とも考えられる。

 この理論を調査したG.L.Kelling博士は、そこから、警察官の徒歩パトロールには犯罪を減少する効果はないが、地域の住民に安心感を与え、住民が警察活動へ親近感を増す効果があることを発見した。そしてこの理論をいち早く導入し、成功へと導いた人物としてはあのニューヨークのルドルフ・ジュリアーニ市長が有名である。


MAYOR RUDOLPH W. GIULIANI
(C) www.fmstar.com

 当時彼は、1980年代初頭までニューヨークの地下鉄の美観を損ねるとされた多くのグラフィティに悩んでいた。結論として、彼は多くのライターを逮捕したが、残念ながらグラフィティは一向になくならなかった。そこで彼は「割れ窓理論」を導入し、警察官5000人の増員を行い、地下鉄のグラフィティ一斉除去(クリーン・カー・プログラム)に乗り出した。このプログラムは単純に、車両に1つでもグラフィティが発見された場合、そのグラフィティが完全に消去されるまで走らせないというシンプルなものだった。そしてその結果、今ではニューヨークに走る地下鉄にほとんどグラフィティはなく、当時多発していた犯罪も約70%以上もの割合で減少したとされている。


                    


 しかし、この理論には批判もある。主に“軽微な犯罪が凶悪犯罪の増加につながったとされる統計的な根拠は正しくない”というものだ。たしかにニューヨークの「成功」は、景気回復とそれによる失業率の改善と時期的に重なっていた。そのため、この理論に基づいた対策による効果がどれほど発揮されたのかは、根拠が不透明であるとされている。そして、いまだはっきりとした結論が出ず、多くの議論の可能性を踏まえた問題となっているのが現状だ。
 
 以上、グラフィティを深く知る上で簡単に「割れ窓理論」とその成功例を踏まえて説明をしてみたが、ご理解していただけただろうか。最近では日本でもグラフィティライターが増えるにつれて、この理論を導入し安全な町作りに取り組もうとしている都市が急激に増加している。昔と比べ、現代ではそうした動きにより、多くのライターが自己表現のできる場を大幅に失った。しかしこんな現状であれ、いまもなお第一線で活躍するランター達には「グラフィティ」の本来の意味を再確認しつつ、今後もなお未来に向けて多数作品を残し続けて欲しいと願う。

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『オススメ度』 ★★★★★
割れ窓理論による犯罪防止
コミュニティの安全をどう確保するか
G.L.ケリング (著), C.M.コールズ (著),
小宮 信夫 (翻訳)


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